日本は後れてる!?世界のSTEAM教育事情

日本でも2020年から、プログラミング教育が必修化されました。

地域格差や学校間格差があることは、別の記事で書きましたが、
日本の中で遅れているだけでなく、そもそも世界と比べるともっと遅れているかもしれません。

今回は、世界のSTEAM教育事情についてお伝えします。

日本はこれから国力が衰えていくと予想されていますが、
教育が遅れているので、10〜20年後には、
ますます衰えが加速するという見方もあります。

国力が落ちると、海外旅行へ行くハードルが高くなったり、iPhoneなどの輸入製品を買いにくくなったり、
身の回りにも影響しますので、パパママにとっても他人事じゃないかもしれませんよ。

目次

初等教育(小学校)からプログラミング教育を開始している国

先進国ばかりではないところに、驚かれたパパママもいらっしゃると思いますが、
例えば、イスラエルは、世界のIT産業をけん引する存在として注目されています。

世界経済フォーラム(WEF)の国際競争力ランキングのイノベーション分野では、
世界第4位にランクインしています(日本は5位)。

エストニアは、行政サービスなど、あらゆる分野のDX先進国として有名です。
Skypeが誕生したのも実はエストニアなんです。

おとなり韓国も、2017年からプログラミング教育を開始しています。

アメリカは、日本のように指導要領がないので、全体として必修化のようにはならないですが、
進んでいる学校はもちろん取り入れています。

主な国のSTEAM教育

プログラミングに限らず、STEAM教育についての方針はどうか、主な国の状況を見ていきます。

(参照:経済産業省「未来の教室」とEdTech研究会

中国における学び方

基礎学力は、学校外/EdTechを活用した効率的な手法に切り替え、

STEM教育を中心に据えた新しい学び方を、相当なスピード感を持って普及させる

ことを大方針としています。

”基礎学力は、効率的な手法で”というところが、ポイントだと思いました。
日本だと、この基礎学力を教えるために、先生方が独自のプリントを作り込み、必死に取り組まれています。
そこは今までの蓄積があるし、AIもあるし効率的にやろうよ。
日本のサービスでいう、スタサプやアタマプラスに任せちゃおうよという発想です。

そんな、中国の深センは、今やアジアのシリコンバレーと言われるほど、Tech企業が集積しており、
中国のGDPをけん引しています。(渋谷の比じゃないですよ)

シンガポールにおける学び方

”AI ApprenticeShip”によるトップダウンのAI人財育成を実施しています。

従来の、カリキュラム・試験制度を取り払い、横断教育に力をいれています。

AI ApprenticeShip Programmeは、座学3か月+実際の課題を題材にしたOJT6か月というプログラムです。
研修期間の9か月間は、毎月16-28万円の給与が支給されるというから驚きですよね。

プログラミングや、ビッグデータのアーキテクチャデザイン・実装、
実用可能なAIシステムのデザイン・実装などが学べます。

このプログラムは、政府主導で行われています。

アメリカにおける学び方

アメリカの場合は、民間出資のスクールが、STEAM教育の重要な役割を担っているのが特徴です。

クアルコム(通信機器や半導体開発などを行う企業)の創業者が出資した、
High Tech Highは、教科横断プロジェクト学習を軸にした授業を提供するチャータースクール(特別認可の公立学校)で、ソフトスキルの習得を目指しています。

High Tech Highでの学びは、「Most Likely to Succeed」というドキュメンタリー映画にもなり、
世界中から注目されています。

しかし、アメリカ全体としては、後ほど紹介するPIASでも成績が低く、格差が大きいのが実態のようです。

世界で活躍するIT起業家のプログラミング開始時期

スティーブ・ジョブズ(AppleやPixarの創業者)

1955年生まれ

13歳ごろに電子機器を制作し始めたと言われている。
HP(ヒューレットパッカード)のCEOに直接電話をかけ、周波数カウンタの部品をくれるようせがんだという逸話もある。

ビル・ゲイツ(Microsoftの創業者)

1955年生まれ

Windowsの生みの親、ビル・ゲイツも12歳ごろからコンピュータに興味を持ち始めたと言われている。
12歳というと遅く思えますが、ビルが12歳の頃(1967年)、もちろんPCはありませんし、インターネットもありませんでした。

ラリー・ペイジ(Googleの創業者)

1973年生まれ

6歳の頃からコンピュータを始めたと言われている。

マーク・ザッカーバーグ(Facebookの創業者)

1984年生まれ

12歳ごろからプログラミングを開始したと言われている。

イーロン・マスク(スペースX、テスラなどの創業者)

1971年生まれ

10歳ごろからプログラミングを学び、12歳ごろには製作したゲームを販売していたと言われている。

世界で活躍するIT起業家は、幼い頃から、コンピュータやプログラミングに触れ、
自分のアイデアをプログラムでカタチにするということに熱中していたようです。

プログラミング、ITスキルが社会人にとって必須

うちの子を起業家にさせたいわけじゃない、というパパママもいらっしゃるでしょう。

プログラミングスキルが必須なのは、なにも起業家に限った話ではありません。

IT人材を育成するために、研修をしたり新卒給与を上げたりする例は、
枚挙にいとまがありません。

AI人材 2030年には12万人以上不足

ヤフーは2000人不足

IT人材 年収3,000万円

ソフトバンク 8000人の社員がAI研修受講

OECD調査でも明らかな日本の後れ

OECD(経済協力開発機構)が実施する、15歳児を対象とする学習到達度調査(PISA)
こちらの2018年調査の結果を見ていきます。

調査の概要

  • 15歳児を対象とする調査
  • 読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について調査
  • 79か国・地域を対象に実施

読解力

読解力の定義

自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと

PISA 2018

※読解力はさらに
情報を探し出す (日本:18位)
理解する (日本:13位)
評価し、熟考する (日本:19位)
の3つに分解して評価される。

数学的リテラシー

数学的リテラシーの定義

様々な文脈の中で数学的に定式化し、数学を活用し、解釈する個人の能力。
それには、数学的に推論することや、数学的な概念・手順・事実・ツールを使って事象を記述し、説明し、予測することを含む。
この能力は、個人が現実世界において数学が果たす役割を認識したり、建設的で、積極的、思慮深い市民に求められる、十分な根拠に基づく判断や意思決定をしたりする助けとなるもの。

PISA 2018

科学的リテラシー

科学的リテラシーの定義

思慮深い市民として、科学的な考えを持ち、科学に関連する諸問題に関与する能力

PISA 2018

調査のまとめ

中国の都市部(北京・上海・蘇州・浙江)が1位を、

次いでシンガポールが2位、マカオが3位を
独占しました。

いずれも教育に力を入れている国々です。

日本の読解力が低下していることは気になりますね。

この調査が全てを表しているとは思いませんが、
世界で最も影響力のある調査であることは間違いありません。

まとめ

世界のSTEAM教育事情と、日本の位置づけについて見てきました。

学校でよい成績を取ってきたからと
喜んでいいのか
偏差値が高い学校に入学できたらかと
喜んでいいのか

考える必要がありますね

いかがでしたでしょうか。何か一つでもご参考になれば幸いです。

SNS等でシェアして頂けるととても励みになります。

私は、将来につながる「プログラミング」教育を、日本中の子どもたちが平等に受けられるようにしたいと思っています。

今のままでは一部の学校の子どもたちだけがそのメリットを享受し、そうでない子どもたちは置いてけぼりになってしまいます。

これ以上教育格差が拡大してしまうのは、何としても止めなければなりません。

この新しいチャンスをすべての子どもたちへ

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この記事を書いた人

こんにちは。もつです。

小学生向けプログラミングスクール「プログラミングスクールL」を経営しています。
プログラミング教育は、子どもの将来を変え、社会を変えるという信念のもと、日々子どもと向き合っています。

妻、息子、娘の4人家族
プロ野球観戦が趣味(横浜DeNAベイスターズのファン)

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