あのビリギャルも!?子どもの可能性を引き出すピグマリオン効果とは

子どもが育つ上で、周りの大人、特に先生やパパママがどのように子どもに接するかがとても大事なことは、改めて言うまでもありません。

今回は、子どもと接する上で大事な概念である「ピグマリオン効果」について解説します。

有村架純さん主演で映画化された、「学年びりのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に合格した話」のビリギャルこと小林さやか(@sayaka03150915)さんも、ピグマリオン効果を発揮した好例でしょう。

シネマトゥデイ 映画「ビリギャル」予告編
目次

ピグマリオン効果とは

ピグマリオン効果とは・・・
教師が、児童・生徒の学業成績の達成についてある期待(教師期待)を抱き、その期待が実現するように行動することによって、実際に子どもの学業成績に向上が見られる現象のことを言います。

ピグマリオン効果は、アメリカの心理学者、ロバート・ローゼンタールによって1964年に提唱されました。

その逆に、教師からの期待が低い生徒は、学力が下がってしまうゴーレム効果という効果もあります。

”ゴーレム”なんて言葉だけでも恐ろしいですね。。

ピグマリオン効果を裏付けた実験の内容とは

ネズミを使った実験

ローゼンタールとフォードが行った心理学実験で、ネズミが迷路を進む実験です。

学生たちに、2つのグループのネズミを渡します。

  • 1つは、”よく訓練されている賢い系統のネズミ”
  • もうひとつは、”訓練されていないのろまなネズミ”

と伝えて渡します。

しかし、実際はこれらのネズミに差はありません。

賢いネズミとそうでないネズミだよとウソを言って学生たちに渡しました。

その結果、2つのグループの間で実験結果に差異が見られたのです。

ローゼンタールとフォードは、賢いネズミを渡された学生たちは、ネズミを丁重に扱った。
一方で、のろまなネズミを渡された学生たちは、ネズミをぞんざいに扱った。
その扱いや態度の違いが、実験結果の差につながったとしています。

小学生での実験

さらにローゼンタールは、サンフランシスコの小学校で、実験を行いました。

まず「学習能力予測テスト」と題した知能テストを行います。

そして、テストの結果とは関係なく、ランダムに一部の生徒をリストアップして、”今後数か月の間に成績が伸びる生徒たちだ”と学級担任に伝えました。

数か月後、知能の伸びを見たところ、”成長が伸びる”と伝えられた生徒の成績は向上しました。

この結果について報告書では、学級担任が子どもたちに対して、期待を込めて接したこと。また、子どもたちもその期待を感じ取り、期待に応えようと成績が向上していったということが述べられています。

ピグマリオン効果を子育てで活かす方法

上記の通り、ピグマリオン効果は、教師やパパママが子どもに心から期待をし、子どもがその期待を感じ取り、期待に応えようとすることで効果が発揮されます。

ただし、効果を発揮するには3つポイントがあると考えます

  • 心からの期待であること
  • 本人が望んでいる行動への期待であること
  • 期待通りに進まなくても辛抱強く待てること

心からの期待であること

「期待してるよ」と言葉で伝えることは大事ですが、それが本心でなければ、”利用されている”、”操作されている”と警戒します。反発もします。

子どもは大人が思っている以上に賢いですから、心から期待しているかどうかは、態度で分かります。
いくら演技に自信があったとしても、24時間演技し続けることはできませんし、子どもはその一瞬を見逃してはくれません。

本人が望んでいる行動への期待であること

期待はあくまで、本人が主体的に行動しようとすることに対しての期待でないといけません。

例えば、パパママがどうしても有名中学校に入学させたくて、「〇〇中学に行けると期待しているよ」と励ましたとしても、本人が地元の中学校に行きたがっているとしたら、効果を発揮するどころか、逆効果になりかねません。

まずは本人が主体的に行動していることが何なのかを把握することが優先です。

辛抱強く待てること

子どもが子どものペースでがんばっても、なかなか成果がでなかったり、パパママの期待するほど進まなかったりすることは往々にしてあると思いますが、そんなときに焦ってはいけません。焦りやいらだちは必ず子どもに伝わります。

ビリギャルもピグマリオン効果で伸びた!?

映画化もされた「学年びりのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に合格した話」で有名な小林さやかさんも、ピグマリオン効果を発揮した好例じゃないでしょうか。

知らない人のために、簡単にあらすじを紹介します

あらすじ

さやかちゃんこと小林さやかさんは、高校2年のときに、著者である坪田先生の塾に入りました。

さやかちゃんは名古屋の有名お嬢様学校に通っていたのですが、見た目も派手で、素行も悪く、何度も停学処分を受けるようなギャルでした。

成績は学年ビリ。strongの意味や、聖徳太子さえも知らないような状態で入塾面談にやってきます。

それでも、坪田先生の「君みたいな子が慶應とか行ったら、チョーおもしろくない?」という提案を受けて、慶應義塾大学現役合格を目指すことになりました。

それまで勉強なんて全くしてこなかったさやかちゃんですが、自分のことを受け容れてくれる坪田先生を信頼して、塾に通いつづけ、予習復習もこなしていきます。

受験の半年前にE判定を受け、絶望して諦めそうになりながらも、周囲に支えられて、ついに慶應義塾大学に合格するというお話です。

この本は学ぶことが多すぎるので、また別の記事として書こうと思いますが、坪田先生とああちゃん(さやかちゃんのお母さん)がとにかく素晴らしい。

見た目も派手で、素行も悪く、勉強もできない、の3拍子で、多くの大人は彼女のことを諦めるでしょう。

実際に、さやかちゃんの学校の先生は、ダメ生徒のレッテルを貼り、見限っていたそうです。
さやかちゃんが「慶應を目指す」と言ったときも、お前にはできない、身の程を知れと馬鹿にしたそうです。

でも、坪田先生は違いました。

さやかちゃんの素直なところや、勇気があるところを長所だと見極めて、心からの期待を持って接しました。

また慶應義塾大学がいかに素晴らしいか、勉強ができるとどんなにいいかを事あるごとに語りかけ、さやかちゃん自身が、慶應義塾大学に行くんだという気持ちを持てるようにしました。

さやかちゃんがE判定を受けて、落ち込んでいた時、勉強を休んで慶應義塾大学を見に行ってくるよう提案したのも坪田先生でした。

さやかちゃんの家は愛知県ですので簡単に行ける距離ではありません。

しかし、ああちゃんはその翌日、車を運転してさやかちゃんを連れていきます。

ああちゃんは、坪田先生とさやかちゃんを信じ、最大限のサポートをしました。

実際に慶應義塾大学を見て、何よりああちゃんの献身的な姿勢を見て、さやかちゃんは折れかけていた気持ちを奮い立たせます。

このエピソードだけでなく、学校の先生と戦うああちゃんや、塾費用を捻出するああちゃんなど、ああちゃんの母親としてのすごさは、書ききれませんので、ぜひ本を読んでみてください。


まとめ

ビリギャルの話をすると長くなるので、この辺にします。

ピグマリオン効果とは、教師や両親が、生徒への期待を抱き、生徒がその期待に答えようとすることで、成果につながるという効果です。

ぜひ今日から意識してみてください

それにしてもビリギャルの坪田先生とああちゃんは本当にすごい。

私も坪田先生のような先生に、ああちゃんのような親になれるよう努力しようと改めて思います。

いかがでしたでしょうか。何か一つでもご参考になれば幸いです。

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私は、将来につながる「プログラミング」教育を、日本中の子どもたちが平等に受けられるようにしたいと思っています。

今のままでは一部の学校の子どもたちだけがそのメリットを享受し、そうでない子どもたちは置いてけぼりになってしまいます。

これ以上教育格差が拡大してしまうのは、何としても止めなければなりません。

この新しいチャンスをすべての子どもたちへ

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この記事を書いた人

こんにちは。もつです。

小学生向けプログラミングスクール「プログラミングスクールL」を経営しています。
プログラミング教育は、子どもの将来を変え、社会を変えるという信念のもと、日々子どもと向き合っています。

妻、息子、娘の4人家族
プロ野球観戦が趣味(横浜DeNAベイスターズのファン)

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