論理的思考力(=ロジカルシンキング)ってよく耳にするけど、
結局なんなのよという話をします。
論理的思考力は非認知能力の一つなのですが、
習い事のPRなどでも、「論理的思考力が高まります」
といった謳い文句をよく耳にするようになったと思います。
昔みたいに、計算力とか暗記力とかでは戦えないということが、
徐々に浸透してきた証だとも言えます。
そこで、改めて、これからの社会で幸せに暮らす上で重要な力の一つである
論理的思考力について解説します。
論理的思考力に対してよくある誤解
論理的思考力は、英語で言うとロジカルシンキングです。
「論理的」とか「ロジカル」というワードから、
あまりいいイメージを連想しないパパママも多いはず。
論理的思考力が高い人のイメージとして
- 理屈っぽい
- 冷徹そう
- 堅物で話しづらそう
『二月の勝者ー絶対合格の教室ー』の黒木蔵人のようなイメージを持ってしまうかもしれません。
でも、これは誤解です。
論理的思考力が高いからと言って、感情を一切排除するわけではありません。
感情を排除するかは考え方の問題です。
論理的思考力が高い人でも、世の中論理だけじゃ上手くないことをきちんと認識していれば、そんな思考には陥らないからです。
むしろ、論理的思考力が高ければ、目の前の相手とどのように接すれば上手くいくかということを戦略的に考えますから、感情的な面を見せたり、相手によって適切なコミュニケーションをとることができます。
論理的思考力が高いと何が嬉しいのか
論理的思考力は、問題解決能力や人に伝える力、話を聞く力に繋がります。
つまり、すべての人にとって大事な力なんです。
論理的思考力とは何か
何が嬉しいかを話す前に、そもそも論理的思考力とは何かについて話します。
いろんな人が様々な定義をしていますが、
私は、次のように定義しています。
物事を体系的に捉え、筋道立てて考える力
捉えることと考えることが掛け合わさっています。
問題解決能力が高くなる
論理的思考力が高いと、問題解決能力も高くなります。
なぜでしょう
何か解決したい問題があったときに、
問題の構造は何で、どういった原因が考えられ、どのようにアプローチしていけばいいか
筋道立てて考えることができるからです。
論理的思考力が低いと、「この方法を使えば上手くいくんじゃない?」と、いきなり思い付きの解決策を提示して、イチかバチかの策を打つことになります。
例えば、「会社の売上が下がっている。なんとかしろ」と社長から指示があったとします。
問題解決能力が低い人は、”SNSによる広告宣伝が最近伸びているらしい”という新聞記事を思い出して、
「よし、Instagrarmに広告を出そう」といきなり、流行りの解決策に飛びついて失敗します。
これが問題解決能力が高い人の場合、
まずは「売上が下がっているという事象」を体系的に捉えようとします。
どの事業で売上が下がっているのか
下がっているとはどれぐらい下がっているのか
(さらに言うと、本当に下がっているのか。前月が異常値だっただけじゃないのか)
市場環境が原因なのか、競合との関係による原因なのか、自社が原因なのか
・・・
などなど
たくさんの切り口で漏れなくダブりなく(MECEに)問題を捉えるところからスタートします
そして、解決策も、流行りのモノに飛びつくのではなく、状況に応じた適切な解決策を検証します。
少し極端な例を出しましたが、パパママの周りの上司に問題解決能力の低い人いませんか?
物事を体系的に捉え、筋道立てて考えるという論理的思考力は、問題解決能力に直結することがお分かり頂けたと思います。
人に伝える力が高くなる
論理的思考力が高いと、人に伝える力も高まります。
人に何かを伝えるとき、体系的に筋道立てて話さないと、多くの人に正しく伝えることはできません。
なぜなら、人間の脳は、体系的に物事を捉えようとするからです。
パパママの周りにいませんか?
”結局何がいいたいのよ。”
”このメールをみてどうすればいいの。”
と受け取る側が、アタマを悩ませないと理解できないコミュニケーションを取る人。
こういう人と毎日コミュニケーションを取っているとほんとに疲れますよね。
そしてミスコミュニケーションがうまれて、物事が上手く進まない。
論理的思考力が高い人は、誰が聞いても、ストレスなくすんなりと理解できるように伝えることができます。
低い人は、思いつきでどんどん話してしまうので、相手を疲れさせます。
こういったコミュニケーション能力は、どんな仕事をするにしても、社会人であれば必須の力ですよね。
話を聞く力が高くなる
伝える力の裏返しで、聞く力にも影響します。
論理的思考力は、物事を体系的に捉える力ですので、
人の話を聞いて理解する力にも繋がります。
こういうことを言っているんだな
さっきの話とこの話はこういう風に繋がるんだな
と体系的に捉える力となります。
さらに論理的思考力が極めて高い人の場合、
論理的思考力が低い人が話す、非論理的な話を聞きながら、
体系的に捉えて、整理してあげることができます。
「山田さんがおっしゃっているのって、つまり〇〇ということですか」
「そうそう。それが言いたかったんだよ」
と相手に変わって整理してあげるイメージです」
ここまでできる人はそう多くはありません。
その分、社会に出てより高い報酬で仕事ができるでしょう。
以上のように
物事を体系的に捉え、筋道立てて考える力(=論理的思考力)
はどんな立場の人であれ、重要な力であることがご理解頂けたと思います。
決して、理屈っぽくて冷たい人間になるわけではありません。
論理的思考力を鍛えよう
ビジネススクールでは真っ先に教えるほど重要な論理的思考力ですが、
社会人経験が長い人でも、できない人が多いのが実態だと思います。
これは天性のものではなく、思考の癖ですので、
小さい頃から鍛えるのがいいです。
ビジネススクールの論理的思考の授業では、
問題をロジックツリーで分解したり、
フレームワークに当てはめて、体系的に捉える訓練をしたり、
小論文として結論を論述したり、
といった直接的な訓練をしますが、
あまり楽しいものではありませんし、子どもには難しすぎます。
小学生の場合はやはりプログラミングが最適な教材です。
プログラムは論理的に組み立てないと動きませんから、
思ったように動かない。なぜだろう
と考えて、筋道立てて考える訓練になります。
0からプログラムをつくるという経験も同様で、
やりたいことを分解して、どのように組み立てれば出来上がるかを考えます。
何度もやり直しができるのもプログラムの良い所です。
自分の組んだロジックを試してみて、
上手くいかなくて、
再度考え直してみる
というトライ&エラーを自然と行うことになります。
まとめ
論理的思考力(=ロジカルシンキング)とは、
物事を体系的に捉え、筋道立てて考える力のことを言います。
論理的思考力が高いと、問題解決能力やコミュニケーション能力といった、どんな立場の人にも必要な能力が高くなります。
論理的思考力は思考の癖ですので、小さい頃から鍛えることが重要で、プログラミングがよい教材となります。
いかがでしたでしょうか。何か一つでもご参考になれば幸いです。
SNS等でシェアして頂けるととても励みになります。
私は、将来につながる「プログラミング」教育を、日本中の子どもたちが平等に受けられるようにしたいと思っています。
今のままでは一部の学校の子どもたちだけがそのメリットを享受し、そうでない子どもたちは置いてけぼりになってしまいます。
これ以上教育格差が拡大してしまうのは、何としても止めなければなりません。
この新しいチャンスをすべての子どもたちへ